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セッケンのあるくらし

軟水での石けん洗濯(1)


軟水を使って、粉石けんで洗う。
水道水の場合の石けん洗濯を続けてこれた人なら特別難しい事はありません。 お住まいの硬度が高くて、石けん使用量が標準使用量に対して異常に多い、色柄物を洗った時に白い粉がついてしまう、衣類の臭いやきばみが気になる・・・等、石けんカス(金属石けん)の悩みを抱えている人に断然お勧めなのが「軟水」です。

イオン交換樹脂が硬度を除去します。
三浦工業(株)が販売していらっしゃるような高価な軟水器や、導入として比較的まだ手が出る軟水netの手作り軟水器、お肌つるり☆ショップ のイオナちゃん(欠品中らしい・・・。)など、再生が自動か手動かの違いはありますが、硬度を除去する原理は同じです。 イオン交換樹脂に水道水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンを吸着させてナトリウムイオンを放出し、水道水中の硬度成分を除去して水道水を軟水にします。

石けんは硬度成分と結合して石けんカス(金属石けん)を作ります。 冬場、水道水で粉石けんを使用する場合、我が家の辺りでは最悪の場合、硬度約100前後まで達したこともあるのですが、その状況下でアワアワ洗濯を行おうとすると、おおよそ2/3が石けんカスになり、実際に洗浄を行っている石けんは使用量の1/3です。(経験上)

我が家でアワアワ洗濯を行おうとする場合、水道水の場合は150グラム(56リットル中)の粉石けんを使用し、軟水の場合は50グラム(56リットル中)の粉石けんを使用します。 >洗い物の汚れの度合いにより、使用量の変動はあります。 が、軟水の方が石けんカスを発生しない分、使用量が少なくても強力な洗浄力を持っています。 また、水道水の場合は浴比と濯ぎの回数を守らないといけませんが、軟水の場合は浴比はギチギチにならない程度、濯ぎは二回(一回目は軟水)と比較的おおらかです。(肌の弱い人は三回の濯ぎがお勧め。 浴比が高くて、物理力があれば大丈夫だけどね〜。)

※ 大体の場所で、冬場の硬度が高く夏場低くなる現象が見られます。(雪の多かった年はそうでもありませんでしたが。) 首都圏の硬度差は2倍も違う時期がある程です。(参考がてら、2004年5月初旬の硬度は50ppmです。)

※ 雨の影響を強く受けるというよりは、地質の影響を強く受けます。 夏だから硬度が低くなる、というものでもなく、元々が低い地域は年間を通して低い、元々が高い所は下がっても硬度70台で安定する、などマチマチです。 東京都の硬度は定期的に測定していますんで、参考にしてください。 >2005年3月だと、硬度70台がベースになっています。 ここ数ヶ月、ずっとこの調子。)

しっかり溶かして使うのは同じ。
石けん洗濯の基本は「しっかりと溶かして使う」事です。 溶け残りは洗濯物についたり、洗濯槽のカビの原因になります。 水道水を使っての洗濯の場合は特に「低水位攪拌」が推奨されます。 粉石けんを溶かす時に特に攪拌力が強くないと粉石けんがしっかり溶けない為、低水位での攪拌が推奨されているようです。 低水位の方が攪拌力が強いですからね〜。 また、いずれの場合も石けんをよく溶かす為に「温水」を利用した方がよく汚れが落ちます。 お風呂の残り湯等を利用すれば節水にもなりますね。

パーム油・牛脂を主体にした石けんの場合は、低水位攪拌でしっかり溶かし泡立てて高水位にしても泡が消えないので不安感が低いかと思います。 一方、大豆油や米ぬか油を使用した粉石けんは、低水位できっちりと泡立っていても高水位になると泡立ちが大人しくなってしまい、「濃度が足りていないのでないか?」と粉石けんの過剰投入を誘います(^^; (洗濯機のかくはん力(物理力)が弱い場合は、更に泡立ちが悪く見えたりします。)

が、最初から高水位で石けんを投入しても、これらの一般に「溶けやすい」と言われている石けんは溶け残る事なくサッと溶け、低水位攪拌と同じだけの使用量であってもキチンと泡立つようです。

軟水でなく、水道水を使用する場合も同じ感じだと思いますが(経験上)、水道水の場合は石けん投入時に石けんカスの膜が出来る事で攪拌力が弱いと良く溶けない原因になってしまうので、「高水位攪拌」の手法が使えるのは軟水の特権のような気がします。

※ と、いうか、高水位で投入した方が見かけ上の泡立ちが良い。 が、低水位で同量の粉石けんを溶かした場合と洗浄力が変わるか、というとそうでもありません。 洗濯物をすでに投入して二分程たった状態で、手なりホースなりで水面をパシャパシャして泡立つようであれば、石けんの追加投入は無駄になります。

※ パーム油中心の粉石けんの場合は軟水でも低水位攪拌で事前に泡立てた方が良いようです。 高水位で粉石けんを投入すると、それなりに攪拌力の強い洗濯機であってもダマになり、溶かすのが難しくなります。 高水位で投入しても問題のない粉石けんは融点の低い、一般に溶けやすいと言われる粉石けんだけです。

※ パーム系の石けんは泡立ちが豊かなのが特色ですが、とけ残りが泡の上部にポツポツと存在する場合があります。 一度混ぜ返すなり、上が水をかけてワザと泡を潰すなりして、溶け残っている石けんをキチンと溶かして使いましょう。

※ 几帳面に溶かすのが面倒だと感じるならば、キレート剤(分散剤・石けんカス防止剤)の入っている粉石けんを選択するのも一つの手段です。 キレート剤は悪いもののように言われたりもしますが、軟水の場合であってもとても溶けが良いので重宝します。 バランス的にも優秀だしねー。

一回目の濯ぎまでは温水を使う。
「冷水じゃ駄目?」と聞かれそうですが、軟水の場合は金属石けんは出来ないんですけれども、石けんの性質である「薄まると加水分解する」といった特徴が改善される訳ではないので(メリットであり、デメリットでもある) 最低でもぬるま湯を使うと良いです。(高温でもいいですが、ぬるま湯で十分です。 タヌキの場合は37度で一回目の濯ぎを行います。)

推測が混じっていますが、加水分解されて発生した脂肪酸は洗濯機の中の衣類に吸着されやすい性質を持ちます。 ホントややこしいんで悩み所なんですが(これを加水分解されて発生した脂肪酸と取るか、酸性石けんと取るか) 汚れや衣類はプラスに帯電しやすいので、脂肪酸イオンは陰性であるため、衣類にくっついてしまうのです。 濯ぎの段階で衣類にくっつく脂肪酸イオンはぶっちゃけ、それが酸性石けんであれ残留脂肪酸であれ、結果的に「再汚染」である事は変わりないため、洗濯の場合は落とした方がいいことに間違いはないです。 >酸化臭の元になる。 まあ、二回目の濯ぎで水道水を使えば石けんカスになると思いますが(^^;

※ 酸性石けんか残留脂肪酸か・・・。 悩ましい所なんですが、個人的には脂肪酸かなー、と思います。 一回目の濯ぎの水が酸性に傾いている家庭はまずないでしょうね。 試験紙で測定した結果は、弱アルカリを示しました。 むしろ、一回目の濯ぎで酸性に傾くのであれば、余洗いした方が石けんのムダにもならないでしょう。(余洗い時も軟水使用で、その時にギリギリの濃度に石けんを投入して二度洗い、とかね。 相当酷い汚れの場合のみの話だけど。) 炭酸塩無配合の粉石けんを使っていても、同様の結果になると思います。 ハッキリといえることは、どちらであれ、最終的な挙動(影響)は同じで、対処策も同じであるということです。 一回目の濯ぎは必ずお湯を使いましょう。

そんな訳で、実は石けん洗濯での仕上がりに大きく影響してくるのは一回目の濯ぎだったりするんです(・・; 軟水ユーザだけの話ではないんですけどね。 >水道水でも加水分解して脂肪酸にはなるわけで。 この場合は硬度成分の影響の方が遥かに強いんで、ただちに石けんカスになりますが。

衣類についた残留脂肪酸をこそげ落とすのに有効なのが「温度と弱アルカリ」です。 温水を用いるのは必須条件で、気になる人は(普通は温度だけに注意するだけでいい。)炭酸塩を56リットルで大さじ1/2程度、こころもちだけ投入してください。(余りアルカリを強くすると、布傷みが激しくなって靴下・襟元などにガタが早く来る。 アルカリを活かして洗う宿命ですけど。) これをするだけで、軟水であっても仕上がりに大きく差が出ます(・・; 残留脂肪酸をいかにこそげ落とすかが、ポイントだったりするんです。

気になる人は、と修正したのは、一回目の濯ぎの水(お湯)はそもそもアルカリに傾いているからです。 硬度漏れしている場合や、再汚染されやすいフリースなどの洗濯には微量の炭酸塩はあった方がいいように感じますが、綿などの下着・靴下・衣類の場合は不要と感じるようになりました。 余りアルカリに傾けると衣類の寿命が短くなり、デメリットの方が大きくなります。(炭酸塩投下について)





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