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セッケンのあるくらし

煮洗いで石けんの洗浄力を知る。


軟水の魅力にすっかりハマっていますが、軟水を使わなくても石けんの洗浄力の強さを少量の使用量で知ることは可能です。 初めて石けんを使う人にいきなり「軟水器を買いなさい」とか、洗濯機に大量に粉石けんを投入しろ、というのは無理があるんでは・・・(・・; と思っているので、相談を受けた場合であっても酸素系漂白剤と少量の粉石けんを渡す所からはじめます。

石けんの洗浄力を最大限に引き出す為のコツは『温度と濃度』だと思っています。 ただし、濃度は調子にのってあげていくと濯ぎの段階で残留脂肪酸(軟水の場合)や石けんカスになってしまい、大変なことになってしまいます。 なので、私は中々取り切れない頑固な汚れは煮洗いか部分洗いで落とします。

火を使用することが危険である、という意見もありますが、私もここから石けんの洗浄力を知りましたし、火を使わないで高温のお湯に漬け込む方法でも石けんと酸素系漂白剤の洗浄力は中々好評です。 布巾を試しに煮洗いしてみませんか? 塩素系漂白剤より、ずっと黄ばむことなくキレイに洗うことが出来ますよ〜。



1. 最低限の汚れは前もってとっておく。

最低限の汚れは落としておいた方が吉です。 布巾などの場合はいきなり煮はじめても問題ないと思いますが、無茶苦茶油で汚れている、なんていう場合は最低限落としてください。 (傷みの原因になる場合があるらしい。)

酸素系漂白剤は石けんと結合してしまう性質を持っているようなので、この場合は石けん分はきっちりと濯いでおきましょう。


2. 鍋はステンレスかホーロー鍋を使用。

アルカリに弱いアルミ鍋は使わない。

『重曹を煮溶かして炭酸塩にしてみよう。』と同様に、アルミ鍋はアルカリに弱いので使ってはいけません。 酸素系漂白剤は水の段階から溶かしこんで火にかけます。 一番適切な温度は80度程度、という話ですが(沸騰すると跳ねて危ないという理由から) 厳密に計測するというよりは、お湯が沸いてきたらトロ火にして放置するのが現実的な使用方法でしょうか。 鍋の中の洗い物は通常の洗濯と同様にギュウギュウ詰めだと上手く洗えません。 菜箸でつつける余裕は確保しておいてくださいね。

3. やったらいけないこと(゚-゚;)

汚れ物に直接酸素系漂白剤をかける。 >局地的にアルカリ度が上がり、洗い物を傷めます。

色柄物の煮洗い >アルカリに傾けて洗うことは、そもそも移染(色移り)の元だったりします。 やる場合は駄目にする覚悟を決めてやってください。 ちなみにこれ、石けん洗濯の場合も同じで色柄物は別分け必須だったりします。 移染してしまうと、元に戻すのはまず不可能です。

極端に長時間火にかける。 >アルカリに傾けて高温で洗うと面白いように汚れが落ちますが、洗濯物へのダメージは相当大きいものです。 余り調子に乗ると、汚れが落ちる前に弱い箇所が破れます。(洗濯機での助剤漬け置きの場合も同じです。)

蒸し洗い。 >そういった洗い方もあるようですが、そこまで高温にするとダメージの方が先行してしまう気がします。 煮洗いのトロ火放置で十分に落ちます。

弱い布地は煮洗いは避ける。 >しつこいですが、煮洗いは強い布地向きです。(例えば綿、布巾など) 特に弱い部分に作用が激しく、そこが破れたりするので、例えばまた着る気のあるYシャツなどのエリ・ソデは牛脂由来の固形石けんで部分洗い・放置が正しい処置だと思います。

4. 汚れ落ちが不十分であれば、粉石けんを投入。

20分程度トロ火で煮て、汚れ落ちが不十分だと感じるようであれば、粉石けんを投入してください。 漂白作用で落ちきらない汚れは後は石けんの洗浄力に任せましょう。 熱湯に粉石けんを投入すると却って溶けにくいので、ぬるま湯で先に溶かしたものを鍋に投入するとスムーズに行くでしょう。

また、ここで投入する種類の粉石けんは高温で洗浄力を発揮する牛脂由来の粉石けんが一番だと思います。 (パームでも可。 個人的には牛脂が一番凄いと思いますが。) 

菜箸で時々つついてあげて、火を止めて暫く放置して濯いだら、どれぐらい洗い物がキレイになっているか解ると思います。 物によっては冷めるまで放置してもいいんですが(例えば布巾など) 布傷みが気になる場合は長時間の放置はお勧めしません。 汚れが落ちたと思ったらぬるま湯で濯いで干してくださいね。




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